急性出血性結膜炎 acute hemorrhagic conjunctivitis

急性出血性結膜炎
acute hemorrhagic conjunctivitis


【概念】

 エンテロウイルス感染による急性の結膜炎。
 病原体はエンテロウイルス70 enterovirus 70 (EV70)またはコクサッキーウイルスA24変異株 coxsackie virus A24 variant (CA24v)による。
 1994年に沖縄で5,600人以上の感染者を出す大流行があった。

【疫学】

・季節性:夏季に多い
・感染様式:接触感染
・5類感染症、眼科定点

【臨床症状】

・潜伏期間:約1日
・急激な発症で、初期に眼痛を訴えることがある。
・眼瞼腫脹、結膜充血、結膜浮腫、結膜濾胞がみられ、眼脂、流涙を自覚する。
・球結膜の結膜下出血が特徴的。
・多くは両眼性で、約1日の間隔で他側に波及する。
・耳前リンパ節腫脹は流行性角結膜炎より軽度。
・約1週間で治癒し、予後は良好。
・EV70感染ではごくまれに発症後に脳神経麻痺が出現することがある。

【診断】

・ペア血清でNT抗体価の上昇
・ウイルス分離はCA24vのみ可能
・PCR法によるウイルス遺伝子の検出

【治療】

・対症療法のみ。


【註記】


【参考】


【作成】2017-01-02