HTLV-1関連脊髄症(HAM)

HTLV-1関連脊髄症
HTLV-1 associated myelopathy


【概念】
 HTLV-1キャリアに発症する慢性脊髄炎。
 HTLV-1感染者の約0.3%に発症し、女性・中年以降発症が多い。

【病因】
 HTLV-1感染による活性化T細胞の増加および脊髄への浸潤。
 脊髄組織内における異常免疫反応が原因と考えられている。

【病理】
 主な病変部位は胸髄。
 萎縮と両側対称性の白質変性(側索の錐体路に最も顕著)。

【臨床症状】
 脊髄横断症状:歩行障害、排尿障害、両下肢のしびれ、痙性不全対麻痺など。
 筋萎縮はない。
 合併症:シェーグレン症候群、Tリンパ球性肺胞炎など

【臨床検査】
・血清・CSF:抗HTLV-1抗体陽性。
 CSF中のネオプテリン、CXCL10、末梢血中のHTLV-1プロウイルス量が疾患活動性を反映する。
・MRI:急速進行例で数椎体にわたる頸髄や胸髄の腫大。
 慢性期にはびまん性の胸髄萎縮。

【治療】
・活動期:IFN-α、ステロイド
・非活動期:リハビリテーション