急性小脳失調症

急性小脳失調症 acute cerebellar ataxia


【概念】
 主に1〜5歳の幼児期にみられる急性の小脳症状を呈する疾患。

【臨床症状】
・多くは1〜3週間以内に感染症の既往を持つ。
 上気道炎(特にインフルエンザ)、急性胃腸炎、水痘など。
・小児例では水痘が多く、成人例ではEBウイルス感染が多い。
歩行障害、躯幹失調、振戦、異常眼球運動(眼振、オプソクローヌスなど)を伴う。

*鑑別疾患として重要なもの(特に①、②が重要)
① 潜在性の神経芽腫
② 後頭蓋窩腫瘍(頭蓋内圧亢進症状あり)
③ 急性迷路炎
④ 薬物中毒
⑤ 急性散在性脳脊髄炎(ADEM)

【臨床検査】
・CSF:正常〜軽度の細胞増多。

【治療】
・対症療法のみで1〜2ヶ月で約70%が完全治癒する。
・症状が持続する場合はステロイド治療も。