ビブリオ属菌感染症
【概念】
ビブリオ属細菌 Vibrio spp.はG陰性桿菌で、コレラ菌 Vibrio choleraeの他に腸炎ビブリオ V. parahaemolyticsなど、ヒトに感染性を持つ菌が数種類存在する。
〈腸炎ビブリオ感染症〉
腸炎ビブリオ Vibrio parahaemolyticsによる感染症。
潜伏期間は6〜24時間。海産の魚介類からの感染が多く、6〜9月に発生しやすい。
腹痛、嘔吐、下痢を主症状とし、粘血便を呈することもある。
通常2〜4日で自然治癒する。
まれに耐熱性溶血毒による心筋障害で死亡することもある。
〈Vibrio vulnificus感染症〉
潜伏期間は数時間〜2日。
海産、汽水産魚介類からの経口感染の他、菌を含む海水が創部に付着して感染することもある。
健康人では下痢、腹痛程度で自然に治癒することが多い。
肝硬変や糖尿病患者、鉄剤服用者では急激に増悪する敗血症や壊死性筋膜炎を起こすことがある。
治療はカルバペネム系にミノサイクリンを併用投与する。
〈non 01・non 0139 Vibrio cholera / Vibrio mimicus / Vibrio fluvialis感染症〉
いずれもヒトに感染して下痢、腹痛を起こすが、一般的に自然治癒する傾向が強い。
【註記】
【参考】
【作成】2017-07-03