ウイルス性出血熱 viral hemorrhagic fever (VHF)
【概念】
ウイルス性出血熱(viral hemorrhagic fever ; VHF)とは、重症化すると血管透過性亢進、出血症状、多臓器不全をきたすウイルス性の発熱性疾患であり、狭義には、致死率が高く、患者の血液・体液との接触により感染し、集団発生を起こす傾向の強い次の5疾患を指し、いずれも感染症法の一類感染症に指定されている。
① ラッサ熱(Lassa fever ; LF)
② クリミア・コンゴ出血熱(Crimean-Congo hemorrhagic fever ; CCHF)
③ エボラ出血熱(Ebola virus disease ; EVD)
④ マールブルグ熱
⑤ 南米出血熱
・病原体は、陰性1本鎖RNAウイルスに属するアレナウイルス科、ブニヤウイルス科、フィロウイルス科、フラビウイルス科のいずれかに分類される。
・家畜や野生動物が宿主となる動物由来の感染症である。
・節足動物の刺咬や宿主動物の血液・体液との接触によって感染する。
・宿主動物の生息地によって常在地が限局される場合が多い。
・診断には血中からの病原体遺伝子の検出などの実験室診断が必要となる。
【註記】
【参考】
・加藤康幸「ウイルス出血熱」:日医雑誌 vol.146 no.2 2017
【作成】2017-06-02