洞徐脈 sinus bradycardia
【概念】
正常の洞調律は60〜100/分であり、洞結節レートは自律神経刺激に反応する。迷走神経(副交感神経)優位となれば洞結節レートは減少し、交感神経優位となれば上昇する。
心拍数60/分未満を洞徐脈とする。
【心電図所見】
・P波は正常(Ⅰ、Ⅱ、aVFで陽性、aVRは陰性)。
・1対1の房室伝導
・心拍数60/分未満
【臨床症状】
・健康な若年成人(特にスポーツ選手)はしばしば無症状である。この場合、運動などの負荷により十分な心拍数の上昇が得られ、病的意義はない。
・生理的な心拍応答が障害されている場合は、洞不全症候群 sick sinus syndromeのⅠ型になる。
・自覚症状としては、倦怠感、息切れ、めまい感、眼前暗黒感など。
・症状ある洞徐脈は、薬剤によるものがほとんどである。
【治療】
・心拍出量の低下、あるいは徐脈による症状がなければ治療は必要ない。
・一時的にはアトロピンが効果的。
・自覚症状が持続または反復する場合、ペースメーカー植え込み術の適応となる。
【註記】
【参考】
【作成】2017-06-02