サルモネラ感染症 salmonellosis

サルモネラ感染症 salmonellosis


【概念】
 サルモネラ属菌による感染症のうち、急性胃腸症状のみを主症状とするもので、非チフス性サルモネラ属菌による。

【病原菌】
 サルモネラ属菌の血清型では S. Enteritidisが多く、他に S. Infantis、S. Thompson、S. Typhimuriumなどもみられる。
 わが国では食中毒として年間2,000〜3,000例前後の発生がみられている。
 感染経路は患者糞便からの経口感染が多く、夏場に多い。
 ペット(犬やカメ)も高率に保菌しており、低年齢層ではこれからの接触感染もある。
 菌は細胞内寄生菌であり、腸管粘膜上皮に侵入して増殖し、急性の腸炎症状を引き起こす。

【臨床症状】
 潜伏期間は8〜48時間
 発熱、下痢、血便、腹痛、悪心、嘔吐などがみられる。
 合併症:敗血症は少ない(5%以下)が、合併すると尿路感染症、呼吸器感染症、関節炎、骨髄炎、髄膜炎、心内膜炎など多彩な臨床像を示す。特に動脈硬化病変のある高齢者では感染性動脈瘤などの血管内病変が起こりうる。
 診断は糞便からの原因菌検出による。

【治療】
 一般に予後は良好で、必ずしも抗菌薬投与は必要ない。
 脱水対策が主で、無投薬ないしは整腸剤投与で経過観察する。


【註記】


【参考】


【作成】2017-06-27