関節リウマチ rheumatoid arthritis

関節リウマチ rheumatoid arthritis (RA)


【概念】
 関節リウマチは間接滑膜を病変の主座とする慢性の炎症性疾患で、炎症は間接滑膜から始まるが、進展すると滑膜組織が増殖してパンヌスを形成し、やがて軟骨・骨を破壊する。炎症は関節外にも進展し、肺を始めとする諸臓器にも波及する。

【分類】
・機能障害度:生活機能障害の程度からⅠ〜Ⅳに分類される。
・進行度:関節X線上の変化からⅠ〜Ⅳに分類される。
・ムチランス型は、きわめて進行が早く骨破壊が顕著なタイプをいう。
・悪性関節リウマチは、血管炎を合併するものをいう。
・若年性関節リウマチは、16歳以下で発症するものをいう。

【疫学】
・有病率0.5〜1.0%で、女性に多く、好発年齢は40〜60歳。
・患者の約70%がHLA-DR4を有する。

【病理】
 関節滑膜にリンパ球浸潤、血管新生、滑膜増殖を認める。
 浸潤リンパ球は、初期にはCD4陽性のメモリー細胞が中心であるが、進展するとB細胞の浸潤もみられ、マクロファージも浸潤する。
 滑膜組織は増殖して肉芽様となり(パンヌス)、やがて関節軟骨や関節裂隙が消失する。増殖した滑膜組織から種々の炎症性サイトカイン、中性プロテアーゼ、炎症性メディエーターなどが産生され、破骨細胞の活性化を介して骨破壊が起こる。

【臨床症状】
 発症様式は、緩徐発症型が約70%、急性発症型が約10%、中間型が約20%である。
1)自覚症状:活動期には発熱、体重減少、貧血、リンパ節腫脹などの全身症状が出現する。朝のこわばりは特徴的で、持続時間は活動性を反映する。
2)関節炎:関節炎は多発性、対称性、移動性で、手(特に手関節、近位指関節PIP、中手指関節MCPなど)に好発する。足趾、肘、膝、足関節などの中小関節も侵される。
 当初は腫脹、疼痛などの炎症所見、関節液の貯留などが主体だが、遷延すると関節可動域の低下、拘縮などが起こる。進行すると関節破壊、筋萎縮、腱断裂などによるスワンネック変形、ボタンホール変形、尺側変形などの関節変形が起こる。
3)リウマトイド結節(皮下結節):肘や膝の前面などに出現する無痛性腫瘤で、活動期にみられる。
4)内臓病変:肺病変では間質性肺炎や肺線維症がみられ、リウマトイド肺と呼ばれる。
 末梢神経病変としては頚椎病変や手根管症候群がみられることがある。
 眼病変では乾燥性角結膜炎、強膜炎、虹彩毛様体炎などがみられる。
 活動機が遷延すると、二次性アミロイドーシスが出現する。

【臨床検査】
1)急性炎症反応:血沈、CRPが亢進。血清フィブリノーゲン値や血清補体価も上昇。
2)リウマトイド因子(RF):リウマトイド因子はIgGのFc部分に対する自己抗体で、約75%にみられる。
 RAテストやRAPAテストではIgMクラスに属するものが検出される。
 IgGクラスに属するIgG-RFは活動性を反映する。
3)血液検査:活動期には血清総蛋白、アルブミン値は低下し、グロブリン値は上昇する。
 ALPは増加し、血清メタロプロテアーゼ3(MMP-3)は特異的に上昇し、関節炎の程度を反映する。
 活動期には炎症性貧血が出現し、血清鉄・UIBCは低下し、フェリチンは上昇する。また、白血球と血小板数が増加する。
4)尿検査:二次性アミロイドーシスを合併すると、顕微鏡的血尿を認める。
5)関節液検査:活動期には関節液が貯留し、外見は淡黄色、軽度混濁し、ときにフィブリン塊を混ずる。細胞数は5,000〜50,000/μlで、急性期には好中球が多数を占めるが、慢性期にはリンパ球が優位となる。
6)画像検査:X線検査では軟部組織の腫脹と関節周囲の骨粗鬆症が出現し、次いで関節包付近より骨びらんが始まり、やがて関節裂隙狭小化や骨癒合などがみられる。

【診断】
・米国リウマチ学会(ARC)診断基準(1987)が広く用いられてきた。
・上記基準では早期診断が困難なため、2010年に米国および欧州リウマチ学会(EULAR)が合同で新しい分類(診断)基準を作成した。

【合併症】
・進行例では二次性アミロイドーシスを合併する。
・約1/3にシェーグレン症候群を合併する。

【経過・予後】
 経過は一般に増悪と寛解を繰り返しながら進行するが、治療法の進歩によりADLは著しく改善された。

【治療】
 原則としてRAと診断されたらまず適切な抗リウマチ薬(DMARDs)を3ヶ月以内に投与し、必要に応じて非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)、ステロイドなどを追加する。
 治療開始3ヶ月後に治療効果の評価を行い、効果不十分であればメトトレキサート(MTX)を中心とした強力なDMARDsに変更する。さらに不十分な場合は生物学的製剤の使用へ進む。
 外科的療法として、以前は関節滑膜切除術が行われたが、最近では薬物療法の進歩によりあまり行われなくなった。


【註記】


【参考】


【作成】2017-03-02