悪性関節リウマチ malignant rheumatoid arthritis

悪性関節リウマチ
malignant rheumatoid arthritis (MRA)


【概念】
 既存の関節リウマチに、血管炎をはじめとする関節外症状を認め、難治性あるいあは重篤な関節外症状をともなうものを悪性関節リウマチという。

【分類】
1)血管炎型:全身性動脈炎型および末梢性動脈炎型
2)非血管炎型:肺臓炎型および全身性感染症

【病因】
 血管炎を伴う関節リウマチはHLA-DRB1*0401と関連する。
 病態としてはリウマトイド因子が高値を示し、血中免疫複合体が出現し、血清補体価が低下し、組織学的に血管壁への免疫複合体沈着が認められるため、Ⅲ型アレルギーによる機序が考えられている。

【疫学】
 有病率は関節リウマチの0.6〜0.8%。
 好発年齢は50歳代で、男女比では男性がやや多い。

【病型】
① 結節性多発動脈炎(PN)型(56%)
 血管壁に結節性多発動脈炎様のフィブリノイド変性を示す壊死性血管炎を呈する。
② 関節リウマチ型(32%)
 血管壁にリウマトイド結節様病変を示す肉芽腫性血管炎を呈する。
③ 閉塞性動脈内膜炎型(12%)
 内膜肥厚が強い閉塞性動脈内膜炎を呈し、炎症所見に乏しい。

【臨床症状】
 関節炎と血管炎とが合併する。
 血管病変はおもに中小動脈から細動脈に生じ、大動脈を侵すことはほとんどない。
 頭蓋内動脈、腎動脈の血管炎はまれ。
・全身症状:発熱、体重減少
・皮膚症状:皮膚梗塞、皮膚潰瘍、指趾壊疽、紫斑、皮下結節
・眼病変:上強膜炎、虹彩炎
・神経筋病変:多発性神経炎、筋萎縮・筋力低下
・心病変:心膜炎、心筋炎、心筋梗塞
・肺病変:間質性肺炎・肺線維症、結節性肺炎、胸膜炎
・消化器病変:腸梗塞

【臨床検査】
・慢性炎症所見:血沈亢進、CRP陽性、白血球増加、血小板増加、貧血、低アルブミン血症
・免疫異常所見:リウマトイド因子高値、免疫グロブリン増加、抗核抗体陽性、血清補体値低下、免疫複合体陽性
・組織生検:血管炎あり

【経過・予後】
 5年生存率約80%。死因は間質性肺炎による呼吸不全が多い。

【治療】
 関節リウマチの治療に加え、血管炎を主体とした関節外病変の治療を行なう。
1)副腎皮質ステロイド
 急性期のステロイド投与。血管炎による臓器梗塞や進行性の間質性肺炎を認める場合はステロイドパルス療法を併用する。
2)免疫抑制剤
 ステロイド不応例や急速進行性間質性肺炎の場合、免疫抑制剤を併用する。
3)上記治療で効果不十分な場合、血漿交換療法やリンパ球除去療法(LCAP)も行われる。


【註記】


【参考】


【作成】2017-03-02