ヒトサル痘 human monkey pox
【概念】
ヒトにおけるサル痘ウイルス感染症。
病原体はポックスウイルス科オルソポックスウイルス属のサル痘ウイルス Monkeypox virusで、自然宿主は中央〜西アフリカに分布するリスなどの齧歯類。
ウイルスにはコンゴ盆地型と西アフリカ型とがあり、前者のほうが病原性が高い。
カニクイザルの痘瘡様感染症として知られていたが、1970年にザイールでヒトへの感染が報告された。2003年には米国でペット(プレーリードッグ)を感染源とする小流行が起き、70名以上が発症したが死亡例はなかった。
【疫学】
・感染動物からの接触感染が主だが、ヒト−ヒト感染もある。
・4類感染症、ウイルスは三種病原体
【臨床症状】
・症状は天然痘に類似するが、致死率は比較的低い(10%以下)。
・潜伏期間:7〜21日(平均12日)
・発熱、発疹、頭痛、咽頭痛、リンパ節腫脹などがみられる。
・重症例では臨床的に天然痘との区別が困難。
・ヒト−ヒト間の二次感染率は数%と低い。
【診断・治療】
天然痘に準ずる。
【註記】
【参考】
【作成】2017-01-02