マールブルグ病 Marburg disease
【概念】
1967年ヨーロッパで輸入猿から感染例が出現 以後アフリカ中央部で感染例がみられる
発疹、出血傾向、多臓器不全をきたし、致死率の高いウィルス感染症
【病原体】
フィロウィルス科のマールブルグウィルス
【疫学】
1類感染症
通年性に発生し、好発年齢なし アフリカ中央部で発生
【感染経路】
自然宿主は不明
ヒトからヒトへは接触感染による(血液中にウィルス多量)
【潜伏期】
3〜10日
【臨床症状】
発熱、頭痛、筋痛で突然発症
発症5日目より躯幹部に顕著な斑状発疹が出現
その後腹痛、嘔吐、下痢、咽頭痛が現れ症状が次第に悪化する
肝炎・膵炎、精神錯乱、出血傾向、多臓器不全、ショックが起こる
【合併症】
肝障害、精巣炎、ブドウ膜炎、横断性脊髄炎、耳下腺炎
【検査】
肝機能障害、血小板減少、DIC
【診断】
PCRによるウィルス同定
IgM抗体検出、IgG抗体上昇 ELISAによるウィルス抗原検出
【治療】
対症療法のみ
【経過と予後】
致死率約25%
【予防・管理】
予防ワクチンなし
【註記】
【参考】
・感染症の診断・治療ガイドライン2004 日本医師会雑誌増刊 Vol.132 No.12
【作成】2016-12-11