本態性振戦

本態性振戦 essential tremor


【概念】

 振戦のみを主訴とする原因不明の疾患。わが国では孤発例が多く、通常40歳以降に発症する。

【症状】

・振戦:姿勢時に出現する8〜12Hzの細かい振戦で、手指や頭部に多い。遅い姿勢時振戦は企図振戦となる。
・書家振戦 writer’s tremor:書字の際に振戦が出現して書字困難となる。書痙と異なり、書字以外にも振戦が出現することがある。
・頭頸部の振戦:首を左右に振るもので、高齢者に多い。
・起立性振戦:起立時に下肢と体幹が大きく揺れたり震えたりする。
・音声振戦:
 振戦は肉体的疲労、精神的緊張、発熱で増強し、アルコール摂取で消失する。

【治療】

・アロチノロール(α・β遮断薬)が有効。
・プロプラノロール(β遮断薬)も有効。
・抗てんかん薬(プリミドン、クロナゼパム)が使用されることもある。
・薬物抵抗性のものには深部脳刺激を行うこともある。


【註記】


【参考】


【改訂】2017-02-01