眼瞼痙攣 blepharospasm

眼瞼痙攣 blepharospasm


【概念】
 閉眼に関与する眼瞼裂周囲の筋の両側性の間欠性または持続性異常収縮により、不随意な閉眼が生じ、円滑な開眼に支障をきたす病態で、孤発性局所性ジストニア(眼部の局所性ジストニア ocular dystonia)のひとつ。
 発症は50代が多く、女性に多い。

【臨床症状】
 眼輪筋の不随意収縮が主体。
 皺眉筋、鼻根筋、鼻筋など、眼瞼裂周囲筋の不随意収縮もしばしば合併する。
 軽症例では瞬目増加のみ、重症例では閉眼による機能的盲となる。
 眉毛は眼窩上縁よりも下方に位置する(Charcot徴候)。
 光や風などの刺激で増悪することが多く、暗所では軽快する。
 片目を覆うことで症状が軽減することもある(感覚トリック)。

【治療】
 抗コリン薬が1/5の症例に有効。
 ボツリヌス毒素注射が最も有効。
 難治例には眼輪筋切除術 ocular myectomyの適用となる。

〈メージュ症候群 Meige syndrome〉
 両側性の眼瞼痙攣に加えて顔面性中部の舌、口輪筋にも攣縮がみられる病態で、複合部位のジストニア(分節性ジストニア segmental dystonia)のひとつ。
 症状は上方視で誘発、下方視で軽快、暗所や安静で軽快し、睡眠で消失する。


【註記】


【参考】


【作成】2017-10-06