抗GAD抗体関連神経症候群
1. Stiff-person syndrome : SPS
・30〜40代で女性に多い。経過は進行性。
・進行性の体幹筋固縮、有痛性痙攣、持続性の運動興奮、刺激への過敏性。
・抗GAD抗体陽性率:60%
・共陽性:抗甲状腺抗体、抗核抗体など
・GAD陰性例:抗 amphiphysin抗体、抗 gephyrin抗体、抗 GABARAP抗体など
・5%に悪性腫瘍が合併:乳がん、肺小細胞がん、縦隔腫瘍
2. 小脳失調症
・40〜50代で女性に多い。経過は亜急性〜緩徐進行性
・小脳失調が主徴
・抗GAD抗体陽性率:自己免疫性の12%
・共陽性:抗甲状腺抗体
・GAD陰性例:抗グリアジン抗体、SLE、SjS、Behcet、腫瘍随伴症候群
・悪性腫瘍の合併:胸腺腫、子宮内膜がん、乳がん
3. てんかん
・20〜40代で女性に多い。経過はさまざま。
・局在性てんかんが主徴
・抗GAD抗体陽性率:5.4%
・共陽性:抗VGKC抗体、抗甲状腺抗体、抗グリアジン抗体
・悪性腫瘍の合併:報告なし。
4. 辺縁系脳炎
・若年成人に多い。経過はさまざま。
・てんかん発作での発症が多い。
・抗GAD抗体陽性率:17%
・GAD陰性例:抗VGKC抗体、抗NMDA受容体抗体、抗 amphiphysin抗体
・悪性腫瘍の合併:報告なし。
5. その他
口蓋ミオクローヌス、Miller Fisher症候群など
【参考】
・脳神経内科, 93(1) : 110, 2020