同心円硬化症 concentric sclerosis (Baló 病)
【概念】
大脳白質に脱髄部分と髄鞘残存部位が交互に同心円状に層状構造を呈する脱随巣が認められる疾患。
かつてフィリピンや中国でみられたが、最近ではまれ。
【臨床症状】
小児・若年成人を侵すことが多い。性差なし。
急性発症し、片麻痺、意識障害、除皮質硬直など重篤な大脳症状を呈し、単相性の経過をとる。けいれん発作、失語、失行、失認など大脳巣症状を呈することもある。
【検査所見】
・MRI:大脳白質に層状構造を呈する脱髄病巣。
・髄液:細胞数、蛋白ともに正常か軽度上昇のみ。OBは陰性。
【治療・予後】
予後不良。高度の後遺症を残すか、死亡する。
ステロイド大量投与で改善する例もあるが、再発することがある。
再発時はMS様の病巣を呈し、MSに移行することがある。