劇症1型糖尿病診断基準 (2012)

劇症1型糖尿病診断基準 (2012)


下記 1~3 のすべての項目を満たすものを劇症1型糖尿病と診断する。

1. 糖尿病症状発現後1週間前後以内でケトーシスあるいはケトアシドーシ スに陥る(初診時尿ケトン体陽性、血中ケトン体上昇のいずれかを認める。)

2. 初診時の(随時)血糖値が 288 mg/dl (16.0 mmol/l) 以上であり、かつ HbA1c 値 (NGSP)<8.7 %*である。

3. 発症時の尿中Cペプチド<10μg/day、または、空腹時血清Cペプチド< 0.3 ng/ml かつ グルカゴン負荷後(または食後2時間)血清Cペプチド<0.5 ng/ml である。

*:劇症1型糖尿病発症前に耐糖能異常が存在した場合は、必ずしもこの数字は該 当しない。

<参考所見>
A)  原則として GAD 抗体などの膵島関連自己抗体は陰性である。
B)  ケトーシスと診断されるまで原則として1週間以内であるが、1~2週間 の症例も存在する。
C)  約 98%の症例で発症時に何らかの血中膵外分泌酵素(アミラーゼ、リパー ゼ、 エラスターゼ1など)が上昇している。
D)  約 70%の症例で前駆症状として上気道炎症状(発熱、咽頭痛など)、消化器 症状(上腹部痛、悪心・嘔吐など)を認める。
E)  妊娠に関連して発症することがある。
F)  HLA DRB1*04:05-DQB1*04:01 との関連が明らかにされている。