シャイ・ドレーガー症候群 Shy-Drager syndrome : SDS
【概念】
自律神経障害を中心とし、錐体路症状、錐体外路症状、小脳症状などの神経症状を合併した変性疾患。
【疫学】
・性差:男女比5:1で男性に多い
・好発年齢:中年以降
【病理】
・中枢から末梢に至る全自律神経系の変性
・脊髄側角の中間外側核や第2仙髄のOnuf核などの神経細胞の変性脱落
【臨床症状】
・陰萎で始まることが多く、次いで起立性低血圧、膀胱直腸障害、縮瞳などが出現
・自律神経症状:起立性低血圧、陰萎、膀胱直腸障害、発汗障害、ホルネル症候群(日によって左右交代する)、食事性低血圧
・小脳症状:構音障害、失調、振戦
・錐体外路症状:筋強剛、パーキンソニズム
・ときに錐体路症状、感覚障害
【治療】
・対症療法のみ
・起立性低血圧に対し、昇圧剤、鉱質コルチコイドなど
【予後】
・発症後5〜10年で死亡