文の要素
文 sentenceとは、一定の形式と方法で単語 wordを並べ、ひとまとまりの意味を形成する基本的表現単位である。
通常、文は主部 subjectと述部 predicateとから成る。
1. 文の要素
【文の要素】
・主部の中心となる語が主語 subject word (S):主に名詞・代名詞
・述部の中心となる語が(述語)動詞 predicate verb (V):動詞
・述語動詞の動作の対象となる語が目的語 object (O):主に名詞・代名詞
・述語動詞の意味を完全にするために補う語が補語 complement (C):主に名詞・代名詞・形容詞
・文の要素を修飾するための語が修飾語 modifier (M):主に形容詞・副詞
1)補語と目的語の判別
・形容詞は補語となるが、副詞は補語とならない。
・〈S + V + X〉という形式の文で、S = Xの関係が成り立てば、Xは補語。
ただし、Xが再帰代名詞の場合に限り、主語 = 目的語。
・〈S + V + X + Y〉という形式の文で、X = Yが成り立てば、Xが目的語でYが補語。
成り立たない場合はX、Yともに目的語である。
2)補語と修飾語の判別
・補語を省略すると文意が不完全になるが、修飾語を省略しても文意は成り立つ。
2. 主語 subject word
名詞・代名詞および名詞相当語句
<特殊な主語>
1)複合主語 complex subject
複数の主語が andなどの接続詞で結ばれたもの。
2)形式主語 formal subject
itを文頭に置いて、実質的な主部を述部の後に置くもの。
3)無意志主部 non-volitional subject (無生物主語)
原因や理由、方法や手段、条件となるもの(無生物)を主語にして、それが人間を「〜させる、〜する」という形で表すもの。
3. 目的語 object
名詞・代名詞(目的格)および名詞相当語句
1)直接目的語と間接目的語
・直接目的語 direct objectは動作の直接の対象を表し、主に「物」である。
・間接目的語 indirect objectは動作に関係する対象を表し、主に「人」である。
2)形式目的語 formal object
itを目的語の位置に置いて、後にくる不定詞・動名詞・節を受けさせるもの。
3)再帰目的語 reflexive object
述語動詞の動作の対象が主語自身である場合、再帰代名詞(oneself)を目的語とする。
この場合に限り、主語 = 目的語となる。
4)同族目的語 cognate object
本来自動詞として用いられる動詞が、その動詞と同語源の語を目的語として他動詞的に用いられるもの。
〈V + a (an) + 形容詞 + O〉という形で、内容にさまざまな変化を与える。
5)保留目的語 retained object
目的語が2つある文を受動態に書き換えた場合、主語に転換されずに元の位置に残るもの。
4. 補語 complement
主として名詞・代名詞・形容詞およびそれらに相当する語句。
主語を補うものを主格補語、目的語を補うものを目的格補語という。
5. 修飾語 modifier
1)形容詞的修飾語 adjective modifier
名詞・代名詞を修飾するもので、主語・目的語・補語を修飾する。
2)副詞的修飾語 adverbial modifier
動詞・形容詞・副詞を修飾するもので、述語動詞と補語を修飾する。
【註記】
【参考】
【作成】2017-04-02