ashes to ashes

Ashes To Ashes アッシュズ・トゥ・アッシュズ
(灰は灰に)
(David Bowie) 1980 Aug

Do you remember a guy that’s been
In such an early song
I’ve heard a rumour from Ground Control
Oh no, don’t say it’s true

かなり初期の歌に出てきた
ある男を覚えてるかい?
地上管制からの噂をぼくは聞いた
いや、事実だなんて言わないで

They got a message from the Action Man
“I’m happy. Hope you’re happy, too.
I’ve loved. All I’ve needed: love.
Sordid details following.”

玩具の兵士からメッセージが届いた
「ぼくは幸せ。きみもそうだといいね。
ぼくは愛してきた。必要なものは、愛だけ。
浅ましい一部始終は以下のとおり」

The shrieking of nothing is killing me
Just pictures of Jap girls in synthesis
And I ain’t got no money and I ain’t got no hair
But I’m hoping to kick but the planet is glowing

無益な叫び声はぼくをイラつかせる
合成中の日本娘たちの画像みたいに
ぼくには金がないし、髪の毛もない
悪習を断ちたいけど、惑星は輝いている

Ashes to ashes, funk to funky
We know Major Tom’s a junkie
Strung out in heaven’s high
Hitting an all-time low

灰は灰へ、ファンクはファンキーへ
みんな知っている、トム少佐はジャンキーだ
天国の高みに吊るされて
史上最低を更新している

Time and again I tell myself
I’ll stay clean tonight
But the little green wheels are following me
Oh, no, not again

何度も自分に言い聞かせる
今晩はクリーンなままでいよう
でも小さな緑の車輪がぼくについてくる
ああ、もう勘弁してくれ

I’m stuck with a valuable friend
“I’m happy. Hope you’re happy, too.”
One flash of light
But no smoking pistol

ぼくは大事な友だちに付きまとわれている
「ぼくは幸せ。きみもそうだといいね」
閃光が一閃
でも煙をはくピストルはない

I never done good things
I never done bad things
I never did anything out of the blue,
Want an axe to break the ice
Wanna come down right now

ぼくはなにも良いことはしてない
ぼくはなにも悪いことはしてない
いきなり何かをしたこともない
氷を打ち壊す斧がほしい
今すぐシラフになりたい

Ashes to ashes, funk to funky
We know Major Tom’s a junkie
Strung out in heaven’s high
Hitting an all-time low

灰は灰へ、ファンクはファンキーへ
みんな知っている、トム少佐はジャンキーだ
天国の高みに吊るされて
史上最低を更新している

My mama said, “To get things done
You’d better not mess with Major Tom.”
My mama said, “To get things done
You’d better not mess with Major Tom.”
My mama said, “To get things done
You’d better not mess with Major Tom.”
My mama said, “To get things done
You’d better not mess with Major Tom.”

ママは言った「ちゃんとするためには
トム少佐と付き合わないほうがいいよ」


・album : “Scary Monsters” (1980)
・single : #1 (UK), #101 (US) in 1980


* ashes to ashes:”ashes to ashes, dust to dust”(灰は灰に、塵は塵に)というキリスト教の祈祷文句。埋葬の時に用いられる。
* Action Man:60年代にイギリスのパリトイ Palitoy 社から発売されたアクション・フィギュアで、アメリカの「G.I. ジョー」のコピー。ここでは『スペース・オディティ』に登場するトム少佐の比喩とみていいだろう。
* sordid details:(悪事の)一部始終
* shrieking:叫び声、慟哭
* kill me:(俗)耐えられない、辛い、うんざりだ
* in synthesis:合成中
* kick:(自)蹴る、元気でいる、(俗)タバコやドラッグを断つ
* string out:吊るす
* hit an all-time low:史上最低を記録する
* time and again:何回も
* not again:またかよ、勘弁してよ
* be stuck with:抱え込む、(厄介事を)背負い込む
* out of the blue:突然、思いがけなく
* mess with:関わり合いになる、弄ぶ
* get things done:物事を成し遂げる、ちゃんとやる

【note】
 デヴィッド・ボウイの1980年のアルバム『スケアリー・モンスターズ』に収録された曲で、1980年8月にシングルカットされ、英国でチャート1位を獲得した。
 歌詞は1969年に発表した出世作『スペース・オディティ Space Oddity』に登場するトム少佐に言及したもので、永遠に宇宙の中を漂い続ける運命にあると信じられ、聴衆たちの涙を誘ってきた孤独なトム少佐が実は麻薬中毒者だったと暴露する内容となっている。タイトルの “ashes to ashes” はキリスト教の葬礼において死者を葬る際に唱えられる文句の一節で、ボウイは意図的にトム少佐を葬り去ろうとしたことが分かる。
 印象的なキーボードの音は、プロデューサーのトニー・ヴィスコンティがピアノにエフェクトをかけてあれこれいじっているうちに偶然に得られたものだそうだ。
 デヴィット・マレット監督のMVは1980年初頭を代表する映像のひとつとなっている。ピエロ姿のボウイやソラリゼーション処理された色彩は黎明期のMTV視聴者たちに大きなインパクトを与えた。エンディングでお母さんに叱られながら海辺を歩くピエロ姿のボウイが可愛らしい。
(エーリアス)