政治思想と政治理論

政治思想と政治理論


・伝統的政治学:哲学的、歴史学的、法学的性格をもち、規範的理論を特徴とする。
・現代政治学:「科学としての政治学」をめざし、経験的・実証的理論を基に、実証的・科学的方法を用いて研究を行う。社会学、社会心理学、文化人類学、統計学、数学などに関連が深い。

【現代政治学の先駆者】
・ウォーラス(英)の「政治における人間性(1908)」
  非合理的行動も含めた心理学的アプローチ→政治行動学(ミクロ政治学)
・ベントレー(米)の「統治の過程(1908)」
  社会学的アプローチ→政治過程論(マクロ政治学)

【シカゴ学派】
 メリアムを創始者とする、行動科学的(行動論的)政治学派

・イーストンの政治体系論(政治システム論):経験的な一般理論の導入。
 政治体系は、環境(国民や外部)からの要求を入力(インプット)とし、それに対応した政策決定と政治行為を出力(アウトプット)とする。出力は支持されるか、そうでなければ再び要求として入力される(フィードバック)。
 政治体系の存続は一般的支持(政治体系そのものを基本的に支持する態度)を広める政治的社会化にかかる。

・アーモンドの政治文化論:構造・機能主義
1)未分化型(地方型):入力、出力ともになし。
2)臣民型:出力のみに積極的。入力については消極的。
3)参加型:出力、入力ともに積極的。
 参加型と臣民が他が程良く混合された状態が、民主政治にとって最も安定的。

【行動科学とその後の発展】
・オルソンの数理政治学
・ドイッチュのサイバネティックス理論
・ポスト行動科学革命


【参考】
・「はじめて学ぶ政治学」:加藤秀治郎著 実務教育出版 1994 東京